今まで韓国で観光らしい観光はしたことがなかったので一度くらいしてみようかなぁ~、と思っていたところ、空港から市内へのバスの中でガイドさんが板門店事件について話していたので、「これだっ!」と思い、ツアーに参加してみました。 これ、大当たり!!
北朝鮮と韓国の国境はご存知の通り開かれていないんだけど、国境の周辺にはそれぞれ数キロにわたる「非武装地帯(DMZ)」が置かれているのね。 このエリアは、退役軍人など特定の人しか住めず、通行も自由にはできないのだそう。 また、一部、外国人はツアー等で入れるけど、韓国人は入れないエリアもあるんだとか。 自分の国の土地なのに、自分は入れず、外国人は入れるなんて、なんか変な感じ、と、平和ボケした私は思う。 が、この不自由なエリアは人間が殆ど入らないおかげで、自然の宝庫なのだとか。 調査団も入れないから詳しいことはわからないけど、絶滅寸前の動物とかもうろうろしているらしい。 だから、国交が開かれても、ここは自然公園にする予定だとか。 う~ん、Good Idea! 私が参加したのは 1.第3トンネル・・・・・・・・・北朝鮮が侵略のために掘ったトンネル 2.都羅(とら)展望台・・・・北朝鮮を最も近くで見られる展望台 3.都羅山(とらさん)駅・・北朝鮮に最も近い駅。将来、平壌とつながる予定。 を回る半日コース。 1.第3トンネル すごく面白かった。 7分程度の紹介VTRを見た後トンネルに行くんだけど、VTRはコンパクトにまとめられており、歴史に興味のない私でも面白かった。 DMZの意味についてもわかったし、韓国の人が統一を本当に望んでいるのがよくわかった(※)し、その一方で言葉(日本語訳)のはしばしに北朝鮮への敵対心も見え隠れしていて、韓国側の複雑な心境を垣間見た気分。 ※ツアーガイドさんは、「北朝鮮の現在の経済状況を見ると、統一後韓国側の負担が大きくなることは目に見えていて、統一の気持ちはわかるけど、納税者としては、北朝鮮経済が回復するまでは、勘弁して欲しい」と言っていました。 空港からのガイドさんが「早く統一すればいいのにねぇ~」と言っているのと対照的で面白かったけど、ツアーガイドさんの気持ちが、現実的な本音じゃないかな、という気がしました。 ドイツの例もあることだし。 で、その後、トンネルへ。 トンネルへの行き方は、トロッコのような列車に乗っていく方法と歩いていく方法と2つ。 トロッコは時間が決められており、本数も少ないので、ツアーによっては乗れないのだとか。で、私は歩き組み。 それでも、400mほどの道のりなので、たいしたことはない。(急な坂なので、お年寄りにはきついようだけど) で、地下75m(だったかな)に横たわる、北朝鮮軍人が掘ったトンネルとは。 そりゃ、まぁ、すごかったさ。 幅2m、高さ2mぐらいの穴なんだけど、周りの岩盤が厚いらしく、ニッケル等で掘った跡がそのまま残っているのね。 そのゴツゴツした岩肌がず~っと続いて。 私達が行けるのは400m位だったけど、全長1635mにも及ぶんだとか。 今でこそ、見学コースとしてライトもつけられているけど、当時は当然そんなものもなく、北朝鮮の上官に指示されて、真っ暗な岩壁しかない中、もくもくと韓国侵略を目指して何年も掘り続けたであろう北朝鮮の兵士の姿が目に浮かぶ。 彼らは、何を考えながら、この固い岩盤を掘り続けたのだろう。。。 この冷えた空気の中で。 そんな地道な作業の一方、この計画はすごくて、まず、そんな何十キロという距離のトンネルを敵国の地下に掘ろう、という考え方もすごいけど、水不足の北朝鮮のために水が自国に流れるように0.003度の傾斜をつけて掘られているそうで、そんなことを考え付くのも、そんな微妙な技術で実際に掘れるのもすごい。 そして、岩盤を割るためのダイナマイト音が韓国側に見つかったら困るので、と、列車が近くの鉄橋を渡る時に、タイミングを合わせてダイナマイトを爆発させて堀りすすんだのだとか。 すごいよね、そんな計算をして実行できる能力があるんだったら、その能力をもっと他のことに生かせばいいのに。 そんなことをしてまで韓国に侵略しようとしたその執念がすごい! 第3トンネルは予想以上の感動だったんだけど、中にカメラを持ち込めないので写真が一切撮れず、とっても残念☆ 見たい方は、ぜひご自分で体験してください♪ 2.都羅(とら)展望台 これはただの展望台。 北朝鮮がもっとも近くに見える、ということで期待したのに、あいにくの雨でかすんで見えず、残念☆ それでも、「ここから先で写真を撮ってはいけません」という、ラインがあったり、板門店が見えたりして、「おぉ~、北朝鮮が近いんだなぁ~」とちょっと感動。 北に最も近い展望台、ということで喜んでいたのに、板門店はずっと先の方で、次回はぜひ、板門店に行きたいと、強く誓ったのでした。。 3.都羅山(とらさん)駅 これも一見、小奇麗な、ただの駅。 ソウルから電車でここまで来ることもできるんだそう。 ただし、ここだけに来てもしょうがなく、また、ここからDMZ内へは観光ツアーでしか行くことが出来ず、その時間がなかなか合わないので、あまり意味はないらしかったけど。 面白かったのは、この駅の周辺でホテルや会議場などの開発が進んでいたこと。 聞けば、国交正常化後に繁栄することを見込んで、今から建設されているのだとか。 ・・・相手が相手なので、いつ正常化するかなんてわかったもんじゃないのに、既に何億(たぶん)というお金をかけて、そんなことに着手しているのが笑えた。 韓国、かわいいなぁ~、と。 これで、なかなか正常化しなかったら、そのうち「税金の無駄遣いだっ!」と、国民に非難されるんだろうなぁ~、なんて。 でも、ま、そのくらい韓国は正常化に本気なわけよ。 気持ち、わかってあげようよ。 4.おまけ:韓国の兵隊 たまたま韓国出発前夜、『シルミド』の映画を見ていた私がその話をガイドさんにすると、ガイドさんが子供の頃、シルミドメンバーがバスで自決した事件があり、当時は映画の通り、「共産党のゲリラ」として新聞に書かれていたそう。 で、その後の軍の幹部が何かの折につじつまが合わないことがあり、生存者等に確認して、『シルミド』の事実がはじめて公になったんだそうな。 それまで韓国人は「相手国に侵略」なんて悪いことするのは北朝鮮だけだと思っていたのに、韓国もそんなことをしていたんだなぁ~、と、初めて知って、ちょっとしたショックだったそう。 そして、『シルミド』のような特殊部隊はあれ以外にもいくつかあり、ガイドさんの親戚にもその部隊にいた人がいたそう。 でも、そのような部隊に入る人は何らかのわけありだったり、戦うことが好きだったりなので、親戚一同からはちょっと冷たい目で見られていたとか。 ガイドさん自身も詳しいことはわからないながら、「なんか、怖い感じの人」という印象だったとのこと。 一方、韓国には兵役があり、そこで訓練を受けているので、彼らがいかにすごいか、よくわかるんだとか。 韓国の兵役は現在2年で、その間に受ける訓練は知れているけど、それでもそのハードさに、訓練開始前日はみんな、泣いているんだそう。 訓練開始後は、訓練も厳しいし、そこで弱さを見せるとイジメの対象になり、これまた大変なんだそう。 そこでイジメの対象になってしまった人は、訓練とイジメの厳しさと、でも兵役だから逃げるに逃げれない、という状況に追い詰められて、自殺するんだとか。 ・・・それが当たり前のように起こり、そんなことを国家の施策として強制するのは、国家としていかがなものか・・・と思ってしまった。 そんなに大変な訓練なのに、訓練中の人にTVのインタビューとかで兵役についてどう思うかをたずねると、「初めは嫌だったけど、今はお国のために・・・」と言ってますよね?と聞くと、あれは一時的なコメントにすぎない、と。 訓練は青春期の男性に対して行われるので、余計なこと(女の子とこととか)を考えないよう、考える余裕がないほどの肉体労働をさせたり、軍事訓練を行うんだそうな。 そんな中で、一種のあきらめもあり、「お国のために(統一のために)・・・」と言うけど、兵役が終わればやっぱり元の状態に戻るし、二度と訓練には戻りたくない、と。(実際には10年後位にもう一度あるらしいけど) ま、ガイドさん1個人の意見ではあるけど、韓国人の本音を垣間見たような気がしたのでした☆ 今回のツアーはここまで。 残念ながら北朝鮮を肌で感じられる場面は少なかったけど、それでもDMZ内の高麗人参畑や壺製造所などもバスの中から見れて、結構、面白かった。 しかも、展望台から北朝鮮を見ることができなくても、DMZに行く途中には、対岸が北朝鮮の漢川もあり、北朝鮮も見れるし、韓国側に張られた鉄錠門(?)も見れるし、見張りの兵士達も見れるし、て、かなり北朝鮮を感じられるので、ツアー参加は絶対おすすめ。 DMZツアーは欧米人が殆どで、日本人はたまに男性が来る程度だとか。 日本人女性一人での参加は珍しい、と、しきりに驚かれました。 でもね、みんな。 韓国はエステも、買い物も、食べ物も素晴しいけど、韓国でしか体験できないこともあるのよ。 韓国フリークも多いと思うし、リピーターの人は、ぜひ一度はこのツアーに参加してもらいたいな、と思うのでした。 私は次回、ぜったい板門店に行くよ!
by aromadolphin
| 2005-06-21 22:00
| ・ 旅行 ・
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